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ポイント:安価で高性能NASが作成できる

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 はじめに

FreeBSD製の高性能NASツール

 iSCSI (Internet Small Computer System Interface)とは、名前の通り SCSIを高速なネットワーク経由でデバイスとして利用する方法。
インターネットSCSIという意味だったと知ったのは実は最近でした。みんな仮想化をやっていますので。VMwareなどで連動で使うのだね。

 利用するユーザ側をイニシエータ。使われる装置側をターゲットと呼ぶそうです。Windows VistaやWindows Server 2008には「iSCSIイニシエータ」があります。今回は、サーバ側にターゲットを、PC側ではイニシエータの設定を行うわけです。

 FreeNASは、FreeBSDをベースにしたツールで1台のPCをそのままNASサーバにしてしまうことができるものです。今回はその導入と設定を試します。

 また、ユーザ側では、Windows Vistaをクライアントとして、自分用のディスク領域をネット越しに作成して使ってみることを試します。Microsoft iSCSI イニシエータ構成ツール(iscsicpl)を起動し、ターゲットを設定する程度の話ではありますが。また、FreeNAS上でSAMBAを動作させてファイル共有も作っておきたいと思います。

 FreeNAS がなじみのあるFreeBSDベースということも興味深くありますが、他のOSの利用者からもかなり定評があるツールなのでさわってみたくはあったのです。

 ISOイメージをインターネットから取得して、CFカードやUSBメモリーでブートできるPCであれば、すぐにお試しができてしまいます。
 今回はテスト利用ということで準備できたのは、AMD Athron 1.3GHz、メモリー 1GB、ハードディスク 80GB(eIDE)というマシン。問題として、高速なNICではないので、性能評価はNICを入れ替えた後になりそうです。

 FreeNASの導入と設定

導入

 FreeNAS 0.69.1 (Omnius)/Monday, 20 April 2009というのが、現時点のリリースの最新版ということで、このISOイメージを入手しました。
FreeNAS LiveCDから選択します。

Release Name Status Description Release Date
LiveCD 0.69.1 i386 stable 2009-04-19

 というものをダウンロードし、CD-Rにトラックイメージで焼き付けます。
60MB程度のイメージであり、ダウンロード時間も長くかかることはありませんでした。

 FreeNASは、OSの導入からパッケージの導入までを行ってくれるので、FreeBSDであることはこの際忘れてしまっても大丈夫。
RAID組することも容易く可能であり、実際には複数本数のディスクで構成することが望ましいと思いますが、今回はテストとして1本のディスクにOSとデータを入れる形で入れてしまいます。

 半分をSAMBAを使ったファイル共有として利用し、残りをユーザのディスク領域として使えるターゲットディスクをつくる方針で進めます。

 CD-ROMを装置に入れて、電源を入れるとCDよりOSが起動していきます。
 FreeNASのメニューが出るまでは待っているだけです。途中のコンソール表示では、FreeBSD 6.4-p3がベースになっていることがわかります。

192.168.1.250
vr0

Console setup
-------------
1) Assign interfaces
2) Set LAN IP address
3) Reset WebGUI password
4) Reset to factory defaults
5) Ping host
6) Shell
7) Reboot system
8) Shutdown system
9) Install/Upgrade to hard drive/flash device, etc.

 のように画面が表示されました。

 今回は、ハードディスクにイメージも導入する方針としたので、まず 9 を選択してディスクから起動するように導入を済ませます。
次に、

1) Install ‘embedded’ OS on HD/Flash/USB
2) Install ‘embedded’ OS on HD/Flash/USB + data partition
3) Install ‘full’ OS on HDD + data partition
4) Upgrade 'embedded' OS from CDROM
5) Upgrade 'full' OS from CDROM
6) Upgrade and convert 'full' OS to 'embedded'

という選択では、3 を選択します。(本当はUSB起動にしたかったのですが、マシンのBIOSが対応できていませんでした)

Disk.FreeNAS ‘full' installer for HDD.

- create MBR partition 1, using UFS, costomizable size for OS
- create MBR partition 2, using UFS, for DATA
- create MBR partition 3, as SWAP
- Easy to custmize (e.g. install addtitonal FreeBSD packages)

WARNING: There will be some limitations:
1. This will erase ALL Partitions and data on the destination disk

のような表示されます。/dev/ad0s1 にOSが導入等が導入されて、/dev/ad0s2がデータ領域、/dev/ad0s3がSWAPになるということです。
MBRパーティション 2は2つ目のスライスということは後で覚えている必要があります。
 SWAPファイルは、使う使わないは自由ですが、一応作成しておくことにしました。メモリーとしては十分に前提をクリアしているし無くても十分そうではありましたが。

 OSパーティションの大きさは128MBがデフォルト。今回は、2048を指定しました。ディスク十分あるし、テストだし。
SWAPはありにして表示されたデフォルト値をそのまま利用しました。

FreeNAS has been installed on ad0s1.
You can now remove the CDROM and reboot the PC.

To use the DATA partition:
- Add the disk ad0 on the 'Disks|Management' page.
- Add the mount point on the 'Disks|Mount Point|Management' page.
  Use the following parameters:
  Disk ad0, Partition 2, Filesystem UFS

To use the SWAP partition:
- Enable swap space usage on the 'System|Advanced|Swap' page.
  Use the following parameters:
  Type: Device, Device: /dev/ad0s3

DO NOT format the drive ad0! The DATA partition has already been
formated for you as part of the installation!

 表示された通りの流れに従い、設定を行っていくことになります。
導入には10〜15分程度で終わるのが一般的のようです。これでパソコンが、NAS装置になってしまうのだから面白いです。

 この後は、Exitでトップメニューに戻り、7の再起動(Reboot system)を選択して、ハードディスクから起動させることとなります。
このタイミングでCD-ROM装置に入れてある導入メディアは取り出しておきましょう。


 FreeNASの前提をオフィシャルページに書かれている物を抜粋して書くと、

  • メモリーは 96MB以上
  • CD-ROM装置
  • 起動可能なUSBメモリーまたはCF(コンパクトフラッシュメモリー)装置(メディアは32MB以上)
  • ハードディスク1台以上
  • その他、VMwareやQEMUなどのバーチャルエミュレータでも可能

とのこと。CPUスペックは書かれていないけれど、そんなには要求スペックは高くなさそうです。

設定

 再起動されたら、メニューを確認します。
表示されるメニューは、9番がないだけで同じ画面です。

 パスワードなしにこのコンソールが使えてしまうのはセキュアではないので、後ほど この画面は無効にしてしまい、ブラウザからの設定画面ですべての設定を行うこととなります。それも日本語で使えるのです。これは敷居が低いです。
 また、FreeBSDにも標準になって欲しいぐらいの各種設定が可能なメニューなのです。

 その操作パネルに接続できるように、まず利用しているネットワークに設定を合わせるところから開始しましょう。
 まず、2の"Set LAN IP address"を選択し、必要なIPアドレスをつけます。
DHCPを選択してしまうのも1つの手ですが、一応サーバなのでネットワーク内のサーバとして利用するアドレスを決めて設定するのがいいと思います。(DHCP NO → IPv4 address → subnet mask (255.255.255.0 や 24 のようなCIDRでも可能) → default gateway → DNS IPv4 address → IPv6 NO)

 結構、親切な設問で答えていれば簡単に終わります。ここが英語なのは我慢しましょう。
終わると、

You can access the WebGUI using the following URL:
http://192.168.xxx.xxx:80

という表示がされてきたと思います。
 これで、このコンソール画面での設定は完了です。ウェブにて設定を行うことにしましょう。

 自身のpcより、該当のアドレスにインターネットブラウザからアクセスしてみましょう。(初期値は 192.168.1.250 なので、最初にバッティングしてしまう可能性がある場合には、変更までは NICケーブルは接続していない方が良いでしょう)

 最初に、認証画面が来たと思います。デフォルトは ユーザ admin パスワード freenas となっていますので、これでログインしてください。
これらは、ログイン後に変更ができますので、セキュリティ上最初に行われることをお勧めします。
ここでの説明の中では割愛して進めます。

 このようが画面が表示されてきます。
メニューはまだ英語のままなので、日本語に変更しましょう。

 メニューの System → G17eneral と進み、以下のような画面を表示させます。
ついでなので、設定できる項目には選択をしておきました。
 日本語で、タイムゾーンはアジア/東京。タイムサーバは有効として、210.173.160.87 を参照し、8時間ごとに補正をするようにしました。
「save」をクリックすると、ご覧のように日本語化した画面に変わります。


 次に、ログイン時のパスワードだけは先に変更しておきましょう。

 続いて、システムの高度な設定を選び、コンソール画面の無効化を含めた設定を入れます

 上記の設定では、多くをチェックをいれました。

 さて、最初に行うのは、SWAPの設定。最初にメッセージがあった通り、システム→高度な設定→スワップタブと進めていきます。

有効にチェックをし、デバイス、/dev/ad0s3のように設定し、保存します。

 次はデータ用のディスクです。
ディスク→マネージメントと進め、「+」をクリックして以下のように設定をします。

 音響レベルは、適当に設定しただけで本当はデフォルトでいいのかも知れません。
なお、このマシンではSMART機能は有効にできませんでした。古い時代のPCです。
ファイルシステムの事前フォーマットは フォーマットしない(Unformated)にしてください。保存します。「適用」することで反映します。

 さて、同じ流れで、ディスク→マウスポイントで「+」を選択します。

 適用することで、コンソール上に「GEOM_LABEL: Label usf/data removed.」と表示がされたことも確認しておきましょう。

iSCSIの設定

 さて、前準備ができたので、iSCSIの設定を始めてます。
サービス→iSCSIターゲットを選択。

という画面が出ます。

 今回、ユーザは3つ、共有が1つという形で作成することにします。
ユーザには10GBずつ。20GBを共有にすることにしました。


 次にターゲットの設定を入れます。ターゲット部分の「+」をクリックします。
許可するネットワークは、自分のサブネットを入れます。


のようにできあがりました。有効にクリックを入れて、保存して再起動を実施してみましょう。

 もう、このタイミングからは Windows Vistaから、利用できる状態になっています。

Windows VistaでiSCSI イニシエータを使う

 やっと、クライアント側の利用する記述です。
Windows Vistaで、上記までで作成したターゲットを利用してみます。
コントロールパネル上から「iSCSI イニシエータ」を起動させます。ユーザアカウント制御(UAC)を経て画面が表示されたと思います。

イニシエータ名が表示されていると思います。探索タブをクリックし、ポータルの追加をクリックします。


このような感じで、エラーもなく追加ができたと思います。
ターゲットタブを見てみましょう。

 表示されていますね。「ログオン」をクリックすると、以下の画面になります。

 「コンピュータの起動時にこの接続を自動的に復元する」にクリックを入れておけば、FreeNASがあがっていれば利用できるようになります。
詳細設定を選択して、ターゲットシークレットの指定を行うなどの設定ができますが、現段階では実施しないで先に進めます。

 接続完了状態になりました。

 ここまで来れば、内蔵ディスクや外付けディスクと同じです。スタート→コンピュータの右クリックで「管理」を選択。
UAC画面を経て、コンピュータの管理画面。記憶域の中にディスクの管理があるのでクリックします。

 ディスクの初期化画面が出てきました。MBRかGPTかと聞かれたので、今回はMBRを指定しました。
細かいことは良く理解していませんが、GPTのテーブルのクリアは面倒だったので、安易にこっちを選択しただけです。
本格利用する際には、ちゃんと調べるつもりですが。

 ちゃんと、10GBとして見えていました。「新しいシンプルボリューム」として選択します。




 ちゃんと、10GBとして見えていました。「新しいシンプルボリューム」として選択します。
パーティションはわける理由はないので、そのまま最大のままにします。
ドライブ名は、なんでも良かったのですが、「F」ドライブとしました。
NTFSでクイックフォーマットをして、ボリュームラベルには好きな名前を決めます。完了させれば、フォーマットが開始されます。
 わたしがどんなドライブ名をつけたかはご覧の通りです。

 コンピュータ上からは、普通にローカルディスクかのごとく見えるようになりました。
ちゃんとパーミッションも問題なく、デジカメに画像を置くことも問題なくできました。

 認証を行って使うように設定する方法はまだわかっていません。0.70以降のバージョンになるとどこの位置に出てくるのはわかるのですが。

 さて、ここまで来たら、ウェブ設定画面でサービス→CIFS/SMB を選択して、ファイル共有を設定してしまいましょう。

 有効にして、ワークグループ名を入力。Unix文字セットには CP932 を指定します。
ログレベルは、見てみたいと思ったので「ノーマル」にしました。
他にサーバもたっていないのでマスターブラウザになるでOKにしました。
タイムサーバはどうでも良かったのですが、デフォルトのままYesにしました。

 「保存して再起動」することで、ノードとして見えるようになりました。

 「保存して再起動」することで、ノードとして見えるようになりました。

 さて、次に /mnt/HDD1 以下に共有するためのディレクトリを作成する必要があります。
しかしながら、これを実施する画面が無いみたい。ウェブ検索してみても、皆さん、コマンド入力しているみたいです。
メニューの高度な設定→コマンド実行を選択し、「コマンド」に入力し、実施することにします。

 入力は、以下をイメージとして入力してください。実際には最初の # を除いた内容となります。

# mkdir -p /mnt/HDD1/share
# chmod 707 /mnt/HDD1/share

 確認をしてみましょう。

 できあがりました。

 では、共有の設定に戻り、これを指定しましょう。
共有ゴミ箱機能なども有効にして設定します。



 という形で実現することができました。
ネットワーク共有なので、


 という形でネットワークドライブにアサインすることもできます。
ここまで何も考えないでもSambaが設定できてしまうというところもすばらしいです。

 現在、ギガのNICに入れ替えて、試している最中です。
Windows XPでも、マイクロソフトのiSCSI Software Initiator というのがありました。Version 2.08だそうです。これを使えば同様にXPでも楽しめるようですよ。
見ての通りですが、Windows 2000のSP4以降、Windows Server 2003 SP1以降、Windows XP SP2以降が対象とのこと。

 ほぼ身近にある環境ではないだろうか。なぜだかページもソフトウェアも英語のみみたいなのでアレルギー体質な人には難しいかも知れないけれど。

【改訂履歴】作成:2009/06/07
2009/06/09 … Windows Vista連動でiSCSIターゲット。CIFSファイル共有を利用する部分を追加。

【参考リンク】
FreeNAS設定とユーザーガイド … The Free NAS Serverのオフィシャルページ


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